藤助淵 |
仙台市/青葉区/八幡・角五郎・川内三十人町・荒巻 |
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昔、 藤助 という男が、牛越橋の近くの淵で釣りをしていると、その淵の底から、「藤助…、藤助…」という声が聞こえてきた。 藤助が、「誰だ?俺に何の用だ?」と聞くと、その声は、 「俺は、この淵に棲んでいる鰻だ。明日の夜、賢淵の蜘蛛が俺を襲いに来る。激しい戦いになると思うが、絶対に声をださないでくれ。 もし、お前が声をだすと、俺は戦いに負けてしまう。いいか、絶対に声をださないでくれよ。頼んだぞ」と答えた。 次の日の夜、鰻と蜘蛛の激しい戦いが始まったのだが、軽い気持ちで見物に来ていた藤助が、あまりの恐ろしさに、「あっ!」という声をだしてしまった。 その結果、鰻は敗北。戦いに負けて鮮血に染まっている鰻は、ものすごい形相で藤助を睨んでいた。 その恐怖で藤助は乱心し、数日後、とうとう死んでしまった。 そのため、いつしか、里人たちは、この淵のことを、“ 藤助淵 ”と呼ぶようになったという。
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