伝承之蔵

太白山の巨人
仙台市/太白区/茂庭/太白山

   昔、この里にある 太白山 の頂上に、巨人が住んでいた。この巨人は、太白山の頂上に腰をかけて座り、右足は高舘山の麓の里に、左足は海岸に近い里におろしていた。そして、その長い手で太平洋から魚や貝を獲って、食べていたという。

参考 『 仙台市史 6 』
現地で採集した情報


現地レポート

これが、太白山。



仙台市史 6には、「 山頂の東北に敷石という大きな岩があるが、これは巨人がいつも腰をかけた石だということで、山の東南に流れている洗澤は足をすすいだ所だという。吉田村の方には巨人の右足の跡だという長さ三尺ばかりの、 體の割にしては少し小さい足跡のついている石が田圃の中に残つている 」とある。 “ 敷石 ”・“ 洗澤 ”・“ 右足の跡 ”に関しては、その痕跡に行けるような具体的な記述がないので、実在するのかは疑わしい。例えば、「 太白山 山頂 敷石 」で検索しても、敷石の写真が1枚も掲載されていない。もしかしたら、話として伝わっているだけで、実在していない可能性もある。


今、分かっている情報を整理すると、上の図のようになる。太白山の頂上に座り、吉田村に右足、海に近い里に左足。「太白山に関する伝承・昔話と現在」によると (削除されていなければ、ここをクリックすれば当該資料を閲覧できます)、 太白山の周辺には、貝塚があるらしいので、科学的な知識のない先人たちが、「なんで、太白山に貝塚があるんだろう?」という問いに対して、「巨人が手を伸ばして、港から貝を獲ったんじゃねぇ♪」という答えを導きだしたのかもしれない。伝承自体は荒唐無稽であるが、上の図の巨人の配置は、妙に説得力がある。ん〜、実に面白い♪


この巨人は、田の仕事が忙しい時、よく手伝いをしてくれたという。かなり優しい巨人だったようだ。



平成 18 年 5 月 20 日 ( 土 ) 掲載
令和 5 年 7 月 13 日 ( 木 ) 改訂


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