伝承之蔵

長の森山の攻防
気仙沼市/本吉町坊の倉

   前九年の役のとき、十万騎の兵を率いた 源義家 は、 長の森山 に籠城していた 安倍貞任 の一族を攻めたのだが、安倍一族が、霧をおこして視界をさえぎったり、雨を降らせて義家の進軍を遅らせるなど、不思議な妖術を使って抵抗したため、一進一退の激戦となり、なかなか落城させることができなかった。そこで、困り果てた義家が、 坊の倉 にある薬師堂に 参籠 したところ、その夜、白髪の老人が夢枕に現われ、「 おまえの軍を沢に隠せ! 」とだけ言って姿を消した。翌日、義家が、その御告げの通りにしてみると、その場所から、長の森山の中腹に滝があるのが見えたのだが、よくよく、その滝を見てみると、その滝の周辺に鳥が群がっていたので、そのことを不審に思った義家が、密偵を派遣して滝を調べさせたところ、安倍一族が米を落として滝に見せかけているだけだということがわかった。その報告を受けた義家はニッコリと笑い、「 よし!敵には水がないぞ! 」と叫ぶと、長の森山の水源を絶って敵が弱るのを待ち、しばらくしてから総攻撃をしかけると、浮き足だった安倍一族は、北の方へ敗走していったという。

参考 『 本吉町誌U 』
現地で採集した情報


現地レポート

赤い矢印が、長の森山。



これが、長の森山。



上の写真の階段が、薬師堂への入口。ただし、階段から奥は道がない。



里人たちが、椎茸を栽培していた。もう少しで薬師堂。



おっ!見えてきた!



これが、薬師堂。



平成 18 年 1 月 23 日 ( 月 ) 掲載
令和 6 年 2 月 19 日 ( 月 ) 改訂


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