伝承之蔵

笹丸の誕生
加美町/北川内/小沢口

   正暦 年間、優れた鍛冶屋であった 三条宗近 は、良質な砂鉄を発見するために、この里にある 烏川 のほとりに滞在した。ある日、宗近が、この里にある 鍛冶屋沢 で刀を試作したところ、納得のいく刀ができたので、その刀を笹につつんで隠しておいたのだが、ある夜、美女に化けた大蛇が、その刀を盗んでいってしまった。その後、宗近は、その大蛇を退治して刀を取り返し、その笹につつんで隠しておいた刀を“ 笹丸 ”と命名して、鎮守府将軍に献上したという。

参考 『 宮崎町史 』
現地で採集した情報


現地レポート

上の写真は、ある里人の屋敷。この里人の屋号は、“ カズヤ ”であり、鍛冶屋の“ カジヤ ”が訛ったもの。古老の話によると、この伝承の鍛冶屋沢は、このあたりにあったとのこと。昔は、鍛冶屋沢跡の目印として、小さな祠があったのだが、現在はない。


前述の里人は、八十〜八十五年前までは、烏川のほとりで鍛冶屋をしていたのだが、ダム建設のため現在の場所に移ってきた。上の写真が、そのダム。


祠があった場所に限らず、この地域全体で鍛冶屋が盛んだったことが分かる。因みに、宗近の名刀と大蛇の伝承は、 岩沼金蛇水神社川渡祥雲寺 にも残っている。


平成 21 年 6 月 15 日 ( 月 ) 掲載
令和 6 年 1 月 25 日 ( 木 ) 改訂


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