伝承之蔵

平家屋敷の二つの石
加美町/宮崎/浦三番

   昔、平家の落人が、この里にある屋敷に住んでいたのだが、その屋敷の玄関へ通じる道の左右には一つずつ石が立っていて、威風堂堂とした屋敷の門を形成していた。ところが、ある日、その屋敷に向かって右側の石の門が、屋敷の前を流れる川に落ちてしまったため、残った左側の石の門は寂しさのあまり、七日七夜、シクシクと泣き続けたという。

参考 『 宮崎町史 』
現地で採集した情報


現地レポート

昔、この伝承の屋敷は、“ ヤット ”、または、“ ヤツト ”と呼ばれていた。残念なことに、屋敷も石の門も現存していない。上の図は、この伝承に関連している場所の全体図。古老の話によると、昔は、この屋敷の周辺にあった萱をとりに行ったらしい。屋敷の近くには湧き水もあり、屋敷に住んでいた方は、その水で生活していたという。この屋敷は、数十年前になくなり、この屋敷の周辺にあった四軒の屋敷も 田川 の南側に移ったのだが、現在、残っているのは三軒の屋敷のみである。


現在も、この里に 二ツ石 という地名、 二ツ石川 という川が残っているのは、この屋敷の二つの石の門が由来である。


赤い矢印のあたりに、この伝承の屋敷があった。



平成 21 年 6 月 15 日 ( 月 ) 掲載
令和 6 年 1 月 25 日 ( 木 ) 改訂