ふさの憂鬱 |
川崎町/今宿/野上町 |
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弘化・嘉永年間、この里に、ふさという女性が住んでいた。当時は、十六歳ほどで嫁にいくのが普通だったのだが、ふさは、たいへん優れた女性でありながら、なぜか、三十歳を過ぎても独身であった。ある夜、ふさの夢枕に神が現われ、 「 北川の橋のたもとに行ってみよ。 木流し 人足が作業中に見つけた男根の石がある。見ただけで心が踊り、なでれば身が悶えるぞ 」 と、お告げをした。翌朝、ふさが、兄と一緒に北川の橋のたもとに行ってみると、お告げのとおり、素晴らしい男根の石があった。ふさは、その石を屋敷の裏山に運び、毎日、 「 結婚できますように 」 と拝んだのだが、そのまま結婚できずに三十七歳の若さで死んでしまったという。
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