伝承之蔵

羽入沼の大蛇
丸森町/越田

   昔、この里に、 羽入沼 という大きな沼があり、その沼には、大蛇が棲んでいた。ある日、里人たちが、その沼の近くの屋敷で餅つきをしていたとき、その屋敷の赤ん坊が、なかなか泣きやまないので、その赤ん坊の母親が、「 そんなに泣くなら、沼の大蛇に食べさせちゃうよ! 」と言って、その赤ん坊を縁側に放置した。しかし、しばらくして、まったく赤ん坊の泣く声がしなくなったことを不思議に思った母親が、再び縁側に出てみると、大蛇が赤ん坊を飲み込んで、苦しそうに庭の柳の木に体を巻きつけていた。驚いた里人たちは、大蛇を殺して腹を裂き、その赤ん坊を助けようとしたのだが、すでに、赤ん坊の体は、ドロドロにとけていたという。

参考 『 丸森町史 』
現地で採集した情報


現地レポート

残念ながら、羽入沼は現存していない。上の写真の赤い矢印が、昔、羽入沼があった場所。古老の話によると、「 今は、田になっていますが、昔は、釣りなどをして遊んでいました 」とのこと。


ここが、昔、羽入沼があった場所。丸森町史によると、この伝承にある屋敷は、“ 沼屋敷 ”と呼ばれていたという。この沼屋敷の場所を特定しようとしたのだが、古老たちも、首をかしげるばかりであった。ただ、ある古老が、「 確かなことではないのだが… 」と前置きし、羽入沼の近くに住んでいる、 星庄治 さんの家が、沼屋敷だという噂を聞いたことがあると教えてくれた。


上の写真の赤丸が、星さんの屋敷。沼屋敷に関して、星さんは、「 確かに、私たちは、この里に古くから住んでいますが、この屋敷ではないですね 」と、明確に否定。結局、丸森町史に記述されている沼屋敷の場所を特定し、その存在を証明することはできなかった。


余談ではあるが、沼屋敷を特定することができず、ガッカリしている私に、星さんの家族の方が声をかけてくれて、別の伝承を聞かせてくれた。昔、星さんの屋敷の裏に、お湯が湧いていて、里人たちが、野菜や皿などを洗っていたのだが、ある日、ある里人が、腰巻を洗ったところ、その後、パッタリと、お湯が湧かなくなってしまったという。


ここが、昔、お湯が湧いていた場所。ある里人が、腰巻という不純なものを洗ったため、パッタリと、お湯が湧かなくなってしまった。この湯のための神社があるというので、星さんに案内していただいた。


その神社は、星さんの屋敷の裏山にあり、かなり昔から建っていて、この里では 熱湯神社 と呼ばれているという。上の写真は、その入口。


これが、鳥居。



この階段を上っていく。



これが、拝殿。



赤丸が、本殿。星さんの話によると、かなり古い神社なのだが、なぜか、伊具郡史などにも記述がないという。ん〜 、沼屋敷は発見できなかったが、なぜか得をした気分。    フフフ ( ̄+ー ̄) キラーン


平成 21 年 8 月 2 日 ( 日 ) 掲載
令和 5 年 8 月 29 日 ( 火 ) 改訂


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