伝承之蔵

法印塚
丸森町/筆甫/和田

   昔、この里に、 正覚法印 という僧が住んでいたのだが、その法印は、里人たちに熱心に仏の道を説き、自らも修行を怠らなかった。 元禄 末期、六十歳をすぎた法印は、最高の修行である即身成仏になることを決意し、そのことを里人たちに知らせると、「 私が入った棺桶を埋めた後、百日目に掘りおこしてくれ 」と依頼して、その修行に入った。里人たちは、法印が埋まっている場所に行き、法印が鳴らしている鈴の音を聞いては、「 おぉ〜、まだ生きてる! 」と叫び、安心して家に帰るという毎日を送っていたのだが、二十一日をすぎたころから、鈴の音が聞こえなくなり、里人たちが、大きな声で、法印を呼んでも、まったく返事をしなくなってしまった。その後、その場所に、幽魂が漂っているような雰囲気を感じるようになったので、里人たちは、「 祟りがあったら、どうしよう… 」と思い、法印との約束も果たさず、とうとう誰も近づかなくなってしまった。そのため、いつしか、里人たちは、この場所のことを、“ 法印塚 ”と呼ぶようになったという。

参考 『 丸森町史 』
現地で採集した情報


現地レポート

上の写真の赤丸が、法印塚。



草ボウボウ…。



おっ! あった!



これが、法印塚。この下に、法印が永眠している。この土地の所有者の方の話によると、昔、この里で疫病があった時、正覚法印が、「 私が、みんなの身代わりになるから、私を棺桶に入れて埋めてくれ。そのとき、命が続く限り鈴を鳴らすから、鈴の音が聞こえなくなったら、掘りおこしてくれ 」と言ったと伝承されているという。


平成 21 年 8 月 2 日 ( 日 ) 掲載
令和 5 年 9 月 4 日 ( 月 ) 改訂


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