伝承之蔵

盆飾りの由来
松島町/北小泉

   昔、この里に、ある婆さんが住んでいたのだが、その婆さんは、自分ばかり美味しいものを食べて、他の人には食べさせないなど、たいへん意地が悪かったので、死んだ後は地獄に落ちて、たいそう苦しい思いをしていた。ある夜、その婆さんの息子が、地獄で苦しんでいる母親の夢を見たので、その息子は、「 確かに、私の母親は意地悪だったが、このように苦しんでいる姿を見せられては、心が痛む…。少しでも、その苦痛をやわらげてあげたい… 」と思い、母親の供養をすることにした。ところが、その息子は、とても貧しかったため、住んでいる家は小さく、家の中での飾りつけができなかったので、家の外に 真菰 をしいて、その上に蓮の葉をのせ、その蓮の葉の上に御供えを置いて飾り、僧を呼んで読経してもらうだけの質素なものであった。しかし、この息子の親孝行こそが、この里で初めての盆飾りだったという。

参考 『 松島町誌 』
現地で採集した情報