伝承之蔵

お夏、どこの子、不思議な子
松島町/高城/夏井

   昔、この里に、三味線をひきながら里の中を歩きまわる美しい女性がいた。里人たちが、その女性に対し、 心付け で銭をわたそうとしたところ、その女性は銭を受け取らなかったので、いつも食べ物をわたしていたのだが、食べ物の中でも、この里の名物であった蒟蒻と油揚げの煮付けをわたすと、その女性は、蒟蒻は食べずに、油揚げだけを好んで食べていた。里の若者たちは、「 あの子、可愛いよなぁ〜。どこに住んでいるのかな? 」と噂し、その女性の家をつきとめようとして跡をつけたのだが、その女性は、すぐに家には帰らず、 高城川 の橋をわたって 大日山 へ登り、沢を下ったり、再び山を登ったりしながら、 夏井沢 あたりに来ると、いつの間にか姿を消してしまった。里の若者たちは、何回も跡をつけたのだが、どうしても、その女性の家をつきとめることができなかったので、いつしか、里人たちは、この女性のことを、“ 夏井沢のお夏 ”と呼んで不思議がるようになったという。

参考 『 松島町誌 』
現地で採集した情報


現地レポート

これは、この伝承に関連している場所の全体図。この伝承の女性は、この里に棲んでいた狐だったという。



これが、大日山。



これが、高城川。



これは、大日山と高城川。意外に近い。



余談ではあるが、古老の話によると、昔、この里は、町の形が褌の形に似ていたため、“ ふんどし町 ”と呼ばれていたらしい。


上の写真が、褌。 ウェブサイト 「 九州屋 」 より画像を引用させていただきました。 しかし、近代化された現代社会で、前近代的な褌の専門店があるとは驚き! (◎_◎;) オッ!   文化・伝統は不滅ということですね。 (^m^ )クスッ


上の写真は、この里の航空写真。



赤線のような感じで、町が形成されていたのかもしれない。



平成 19 年 11 月 18 日 ( 日 ) 掲載
令和 5 年 11 月 5 日 ( 日 ) 改訂


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