伝承之蔵

長老坂のオサンコ狐
松島町/松島/早坂

   昔、この里にある 長老坂 という坂に、“ オサンコ狐 ”と呼ばれる悪戯が好きな狐が棲んでいて、頻繁に里人を騙しては、ケラケラと笑って喜んでいた。ある年の大晦日、ある商人が、 塩釜 で商品を仕入れ、その商品を売りながら、この里に帰ってきたのだが、激しい雪が降っていたため、まったく商品が売れずに困っていると、ある長者が、すべての商品を買ってくれたので、その商人は、「 よかった。これで年を越すことができる! 」と、たいへん喜んだ。ところが、家に帰ってから売り上げの藩札を見てみると、それは藩札ではなく落葉だったため、その商人は、「 さては、オサンコ狐の悪戯か! 」と思い、悔しがっていると、家の玄関のあたりをウロウロしながら笑っている影が見えたので、その商人は、「 オサンコ狐め!騙しやがったな! 」と叫び、その影を狙って鉄砲で撃った。すると、その影は、「 ギャン!ギャン! 」と叫びながら、一目散に逃げ出し、その商人が、家の外に出て雪の上を見てみると、血の跡が続いていたので、その跡をたどってみると、ある森の大きな杉の根に、鉄砲の弾で首を射ぬかれたオサンコ狐が死んでいたという。

参考 『 松島町誌 』
現地で採集した情報


現地レポート

これが、長老坂。



平成 19 年 11 月 18 日 ( 日 ) 掲載
令和 5 年 11 月 8 日 ( 水 ) 改訂


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