伝承之蔵

雄島の○○がくれた御利益
松島町/松島/浪打浜

   天明 年間、数隻の 石巻 の船が、江戸での積み荷をおえて帰ろうとしたとき、ある男が近づいてきて、「 私は、 松島新右衛門 という者です。長い間、江戸に住んでいましたが、この度、松島に帰ることになりましたので、この船に乗せてもらえないでしょうか? 」と頼んだ。しかし、多くの船が、「 おれたちは、石巻に向かうんだぞ!松島に寄ると、遠回りじゃねえか! 」と言って断ったのだが、ある船の乗組員が、「 それは、お困りでしょう。わかりました。少し遠回りですが、松島まで送ります 」と言って、新右衛門の依頼を快諾した。

   そして、三日後、その船が松島に到着したとき、新右衛門が、「 この船を、 雄島 に寄せてください 」と言うので、その船の乗組員が、船を雄島に寄せたところ、不思議なことに、突然、新右衛門の姿が消えてしまった。そのため、乗組員たちは、松島で新右衛門を捜しまわったのだが、里人たちは、「 新右衛門?そんな男は、松島にはいないよ 」と答えるばかりであったので、乗組員たちは、「 不思議なこともあるもんだなぁ… 」と思いながら、新右衛門の捜索を諦めて船に帰ろうとすると、雄島から、「 コンコン!コンコン! 」と、狐の鳴き声がした。乗組員たちは、「 さては、新右衛門は、狐だったのかな 」と言って笑い、そのまま、石巻に向かって出帆したのだが、石巻に到着した乗組員たちは、里人たちから、「 おまえたち!無事だったのか!おまえたちと一緒に江戸を出帆した仲間の船は、暴風雨に遭遇して、すべて沈没しちまった! 」という話を聞き、「 これは、松島まで乗せてあげた新右衛門という狐の御利益だ! 」と思った乗組員たちは、雄島に稲荷神社を建てて、この狐を祀ったという。

参考 『 松島町誌 』
現地で採集した情報


現地レポート

これが、雄島。赤い矢印の橋を渡る。



この橋を渡る。



橋を渡ると、すぐに稲荷神社がある。赤い矢印が、この伝承の稲荷神社。



これが、稲荷神社。



さすがに、松島は天下の霊場である。雄島のあちらこちらで、このような光景が見られる。この島にいると、何か異様なものを感じて合掌したくなってくるから不思議…。


これは、島にあった説明文。



これは、前述の説明文に記述されている頼賢の碑。国指定の重要文化財になっている。



これは、近くにあった説明文。



これは、雄島からの風景。



平成 19 年 12 月 18 日 ( 火 ) 掲載
令和 5 年 11 月 28 日 ( 火 ) 改訂


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