なぜ、樋の口には火災がないのか? |
南三陸町/歌津/樋の口 |
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昔、ある坊主が、 田束山 で修行をしていたのだが、その修行は、 藤蔓 などにつかまり、断崖を少しずつ下りていく荒行であった。ある日、いたずら半分で 小泉 の 樵 が、その坊主がつかんでいた藤蔓を 鉈 で切ると、命綱を切られた坊主は、断崖の下を流れていた川に転落して激流に流され、偶然、川岸の木の根にひっかかってとまったところを、川岸にいた 樋の口 の樵に助けられた。樋の口の里人たちに必死に介抱された坊主であったが、「 ありがとう…、ありがとう…。しかし、私は、もう助かりません。せめてもの御礼に、今後、樋の口に火災がおこらないようにいたします 」と言い残すと、最後の力をふりしぼって経文を唱えた後、里人たちに見守られながら死んでしまった。そして、この坊主を不憫に思った樋の口の里人たちが、その坊主を懇ろに弔ったところ、その坊主を助けた樋の口には火災が一度もおこらなかったのだが、鉈で藤蔓を切った樵が住んでいる小泉は、何度も何度も火災にみまわれたという。
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