伝承之蔵

重ね石 2
南三陸町/入谷/林際

   昔、この里に、木ノ下長者という長者が住んでいたのだが、ある日、修行中の僧が、その長者に一夜の宿を求めたところ、その僧が、あまりにも貧しい姿をしていたので、その長者は、この申し入れを冷たく断った。このとき、その僧は、その長者の屋敷の近くにあった沼に七つの大きな石を投げ込んでから立ち去ったのだが、その数日後に暴風雨で沼の土手が決壊。里人たちが、水が涸れ果てた沼の底を見てみたところ、その僧が投げ込んだ七つの大きな石が重なり合って残っていたので、驚き恐れた里人たちが、「 あの僧が投げ込んだ七つの大きな石には、なにか神秘的な力があったのだろうか? 」と噂していると、それから、しばらくして、あれほど繁栄していた木ノ下長者が、みるみるうちに没落してしまった。そのため、いつしか、里人たちは、この石のことを、“ 重ね石 ”と呼ぶようになったという。

参考 『 生活の歓 志津川町誌U 』
現地で採集した情報


現地レポート

これが、木ノ下長者の屋敷跡。因みに、この伝承の僧は、 弘法大師 であったと言われている。



上の写真の赤丸が、重ね石。手前を流れている川は、 たら葉川



これが、たら葉川。



重ね石は、 続石 とも呼ばれている。



これが、重ね石。



上の写真を見ると、石が三つしか重なっていないように見えるが、残りの四つは土の中で重なっていると伝承されている。


平成 17 年 11 月 10 日 ( 木 ) 掲載
令和 6 年 2 月 10 日 ( 土 ) 改訂


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