幸吉谷地 |
南三陸町/入谷 |
登米市/登米町大字日根牛 |
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昔、この里に、 羽沢峠 の一帯を猟場としている 幸吉 という猟師が住んでいた。幸吉には、 鷹 という妻がいたのだが、ある日、幸吉が猟にでていたとき、幸吉夫婦の仲の良さを妬んだ里人が、鷹に向かって、「 おい、鷹!幸吉は、隣の里の女と浮気してるんだぞ。だから、いつも帰りが遅いんだ! 」と、幸吉を誹謗中傷した。すると、その話を聞いて不安になった鷹は、その話の真偽を確かめるため、日が暮れそうになっていることにも気づかず、猟にでていた幸吉に会うため、すぐに、羽沢峠に向かった。 そのころ、幸吉は、「 もうすぐ日が落ちるな。そろそろ帰るか 」と思っていたのだが、薄暗い森の中、なにかがゴソゴソと動きながら幸吉の方に向かってきたので、「 おっ!獲物だ! 」と思って鉄砲を向け、まさか、猟場に鷹がくるとは思っていなかった幸吉は、そのゴソゴソと動くものが鷹だとは気づかず、獲物と間違えて撃ってしまった。獲物を確認しようと、その獲物に近づいた幸吉であったが、そこには、鮮血に染まって死んでいる鷹の遺体が横たわっていた。そして、自分が鷹を殺してしまったことに気づいた幸吉は、あまりの悲劇に気が狂ってしまい、わけのわからないことを叫びながら森の中へ消えていき、その後、二度と帰ってくることはなかった。そのため、いつしか、里人たちは、この羽沢峠あたりのことを、“ 幸吉谷地 ”と呼ぶようになったという。
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