夕日長者 |
美里町/練牛 |
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昔、この里にある 名鰭沼 の東に朝日長者が、沼の西に夕日長者が住んでいたのだが、ある日、「 朝日長者で始まり、夕日長者で結ぶのは縁起が良い 」ということで、朝日長者の娘が、夕日長者の息子に嫁ぐことになった。結婚式の日、あまりにも花嫁の家財道具が多いので、船に積んで名鰭沼をわたることにしたところ、沼をわたって家財道具をおろすとき、突然、雨が降りはじめたので、夕日長者の息子は、「 花嫁が泥で汚れないように、屋敷までの道に米を敷きつめろ! 」と 家人 に命じ、米を敷きつめさせた。 数日後、この夫婦が、朝日長者の屋敷に里帰りしたとき、夕日長者の息子は、たいそう自慢げに黄金のステッキを持ち、意気揚揚として朝日長者の屋敷を訪れたのだが、その日の夕方、夕日長者の息子が帰宅しようとしたところ、玄関に置いていたはずの黄金のステッキがなくなっていることに気づいた。夕日長者の息子が激怒し、朝日長者の家人に、「 おまえが、世にも珍しい黄金のステッキを盗んだんじゃないのか! 」と叫ぶと、朝日長者が平身低頭、「 すいませんでした。おそらく、家族の者が、まちがえて持っていったんでしょう。探しておきますので、これで許してください 」と言って、お詫びをし、蔵の中から数十本の黄金のステッキを持ってくると、「 さぁ、どのステッキでもどうぞ。そして、残りのステッキは、お土産としてさしあげます 」と言って、さらに、お詫びをしたので、さんざん威張り散らした夕日長者の息子は、何も言えずに、ただただ、呆然とするだけであったという。
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現地レポート |
![]() ![]() 平成 19 年 1 月 3 日 ( 水 ) 掲載
令和 5 年 12 月 31 日 ( 日 ) 改訂
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