伝承之蔵

コウモとドウモ、その腕くらべの果てに …
村田町
川崎町

   昔、村田という里に、コウモという医者がいて、その隣の川崎という里に、ドウモという医者がいたのだが、どちらの医者も、刀で斬られた首を元に戻す、 “ 首つぎ ” の名人であった。ある日、その二人の名人が、 「 おれの方が名人だ ! あいつと腕くらべをして、それを証明してやる ! 」 と思い、それぞれ相手の屋敷に向かった。すると、二人は、その途中、里の境でばったり会い、すぐに腕くらべを始めた。まずは、コウモがドウモの首を斬り、すぐに、その落ちた首を拾い、切り口を糸で縫って元に戻した。そして、今度は、ドウモがコウモの首を斬り、同じように、すぐに、その落ちた首を拾い、切り口を糸で縫って元に戻した。

   「 ん 〜 、これでは勝負がつかない … 」 と思った二人は、どっちの治療した首がしっかりついているかで勝負することにし、お互いの首に紐をかけて引っぱり、先に首が落ちた方が負けということにした。二人は向き合って、 「 ヨイショ ! ヨイショ ! 」 と叫びながら、力いっぱい互いの首を引っぱったのだが、あろうことか、二人の首が同時に落ちてしまったため、首をつなげる医者が誰もいなくなり、コウモもドウモも、すっかり困ってしまった。その後、ドウモとコウモが困っている様子を見ていた里人たちが、たいへん困ったときに、 “ どうもこうも困った ” と言うようになったという。

平成 27 年 3 月 4 日 ( 水 ) 掲載
参考 『 大河原のざっとむかし 〜 大河原の民話と伝説 〜 』
現地で採集した情報