伝承之蔵

神隠しの島
女川町/江島

   昔、ある天気の良い日に、 江島 の若い女性たちが、 足島 に餅草を摘みに行ったのだが、草摘みも終わり、そろそろ帰ろうと思っていたところで、一人の女性がいなくなっていることに気づいた。そのため、みんなで必死に捜したのだが、どうしても見つからないまま夜になってしまったので、しかたなく、その女性を残したまま江島に帰ることになった。その話を古老にしたところ、「 それは、神隠しだ。海が 時化 たときに、江島・足島・ 金華山 の近くで死んだ人間の亡霊が現われ、そっと船に近づいてきて、『 柄杓 を貸してくれ… 』とか、『 美しい娘をくれ… 』とか言いながら、生きている人間を海の中に引きずり込む。また、その亡霊は、天気の良い日には無人島に来ることもあって、その時に運悪く遭遇した女性が、海の中に引きずり込まれることがある 」とのことだったので、その後、江島の女性が足島に行くことはなくなり、男性も、足島に行ったときには、美しいという言葉は遣わなくなったという。

参考 『 女川町誌 』
現地で採集した情報


現地レポート

これが、江島の全景。



上の写真の赤い矢印が、足島。



写真では近くに見えるが、けっこう離れている。



上の図は、古老が教えてくれた足島の名称。足島は、“ 江島列島鳥獣保護区 特別保護地区 ”に指定されているため、足島に立ち入るには、宮城県知事の許可が必要となる。この伝承の女性は、美し浜のあたりで行方不明になった。因みに、その女性は、美しくて気持ちの優しい十六歳の女性だったという。


上の写真の赤い矢印が、草摘み場。この伝承の女性が行方不明になった美し浜は、山の向こう側。



平成 17 年 12 月 6 日 ( 火 ) 掲載
令和 6 年 1 月 25 日 ( 木 ) 改訂


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