伝承之蔵

品井沼の由来
大郷町

   昔、空を自由に飛ぶことができる男と女の菩薩がいた。この菩薩たちの体は巨大で、空を飛ぶと太陽の光を遮って地上が暗くなり、また、その菩薩たちが、この里を歩くと、大きな足跡を残すほどであった。この男女の菩薩たちも年頃になって、お互いに恋愛感情を持ち始め、ある日、キスをしようとしたのだが、巨大な体だったため上手くいかず、イライラした男の菩薩が短気をおこし、 「 もういいよ ! 」 と叫んで空に飛び上がってしまった。女の菩薩は、あまりの悲しさにシクシクと泣き始め、その大粒の涙が、自分たちの残した足跡に流れ込んで大きな沼になった。そのため、いつしか、里人たちは、この男女の菩薩がキスを “ しない ” で終わった沼を、 “ 品井沼 ” と呼ぶようになったという。

参考 『 おおさと 昔かだり 』
現地で採集した情報


現地レポート

因みに、この伝説の菩薩の足跡には、右足の足跡と左足の足跡があり、右足の足跡が品井沼となり、左足の足跡が 名鰭沼 になったという。しかし、残念ながら、この伝説の二つの沼は、現存していない。


平成 27 年 10 月 3 日 ( 土 ) 掲載