百姓と意地悪な侍 |
大郷町/東成田 |
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昔、この里の百姓たちが、仙台藩に年貢米を納めに行くときには、必ず、 板谷峠 を通っていた。その板谷峠の頂上には、 “ 休み松 ” という大きな松があり、その松の両側は、とても深い崖のような沢になっていた。年貢米を納めに行く途中で百姓たちが侍に会った場合、百姓は侍に土下座をするのが礼儀であったのだが、百姓が年貢米を積んだ馬から降りることは、たいへんなことなので、この里では、百姓が侍と会ったとき、百姓が大きな声で、 「 この里に住んでいる御侍さんたちは、たいへん親切で、情け深いんだって ! 」 と言いながら、馬から降りる芝居をすると、その場にいる侍が、 「 馬から降りずとも良い 」 と言って情けをかけるのが慣例となっていた。 ところが、ある日、ある意地悪な侍が、いつものように慣例に従って芝居をした百姓たちに、 「 無礼な百姓どもだな ! 馬を降りないつもりか ! 」 と叫び、百姓たちを刀で斬り殺そうとした。すると、ある百姓が、他の百姓たちに、 「 先に行って、年貢米を納めておいてくれ 」 と言って馬から降りると、その侍の前で土下座した。その侍が、 「 よしよし、それで良い ! 」 と言ってニコニコしていると、その百姓は、突然、油断していた侍の足をつかんで、休み松の沢の下に、その侍を投げ落としたという。
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