伝承之蔵

石神様
大郷町/大松沢/下町宅地

   昔、この里に、ある狸が棲んでいたのだが、その狸は、毎晩のように里人たちを騙して物を盗んでいたので、恐怖を感じた里人たちは、夜、一歩も家から出ることができずに困っていた。すると、この里に住んでいた 三尺左吾平 という武士が、 「 よ 〜 し ! 俺が退治してやる ! 」 と叫び、ある夜、狸が現われるのを待っていると、そこに、何も知らない狸がやってきた。

   左吾平が狸を捕まえようとすると、狸が猛反撃してきたので、 「 ん 〜 、このままでは、俺が殺されてしまう … 」 と思った左吾平は、しかたなく、腰の刀を抜いて狸の首を斬り落とした。すると不思議なことに、胴体から離れた狸の首は、光を放ちながら空高く舞い上がり、そのまま、どこかに飛んで行ってしまった。

   翌朝、この話を聞いた里人たちが、左吾平と狸が戦った場所に行ってみると、そこには、刀で斬った跡が残っている石が転がっていた。その後、里人たちが祠を建てて、その石を祀ったところ、二度と狸が姿を現わすことはなかったので、いつしか、里人たちは、その石のことを、 “ 石神様 ” と呼ぶようになったという。

参考 『 おおさと 昔かだり 』
現地で採集した情報


現地レポート

これが、 石神神社



これが、石神神社の内部。



おおさと 昔かだりには、 「 翌朝、これを聞いた町の人達が恐る恐る見に行った。すると、古狸の姿は見当たらず、太刀跡を残した石が一つずつ、笹藪と中島の竹藪の中にころがっていた。 … ( 中略 ) … それぞれの石に祠を建て石神さまとして … 」 と記述されているのだが、 石神神社は、ここ一つだけであり、神社の内部にも、それらしい石は無い。また、 「 毎年旧十月二日に地区をあげてお祭りをするようになったということである 」 との記述もあるのだが、誰が神社を管理しているのかが分からなかったので、現在も祭りが開催されているかは不明である。


平成 28 年 4 月 6 日 ( 水 ) 掲載


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