松笠地蔵 |
大郷町/粕川/熊野脇 |
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昔、この里に、ある地蔵があり、この地蔵の前の広場では、いつも多くの子供たちが元気に遊んでいた。ある日、子供たちが相撲をとって遊んでいると、突然、河童の子供が来て、 「 僕も仲間に入れて ♪ 」 と子供たちに頼んだ。子供たちは、 「 うん、良いよ。一緒に遊ぼう ♪ 」 と言って、河童と一緒に楽しく遊び始めたのだが、ふと、楽しそうに遊んでいる自分たちを見ながら、地蔵の裏に隠れている一人の子供がいることに気づいた。子供たちが、 「 どうして、泣いてるの ? 一緒に遊ぼうよ 」 と言うと、その子供は、 「 ありがとう … 。でも、 ミズイボ が体中に出ていて、みんなに感染させちゃうから一緒に遊べないんだ … 」 と答えて、ポロポロと涙を流して泣きだした。すると、突然、河童の子供が、その子供に近づいていき、何かヒソヒソ話をした後、そのまま誰にも何も言わずに走り去ってしまった。 翌日の早朝、そのミズイボの子供が、誰もいない広場で、歳の数だけ地蔵に 松笠 を御供えし、地蔵を縄でギュウギュウと縛りながら、 「 お地蔵様、お地蔵様。僕のミズイボを治してください。もし、治してくれたら、縄を解いて体の泥も洗ってあげますから 」 と、必死に祈願した。すると不思議なことに、翌朝、体中にあったミズイボが、嘘のように消えていた。喜んだ子供は、すぐに地蔵のところに行って、何度も何度も御礼を言いながら、 「 お地蔵様 ! 本当にありがとうございました。私は、河童に教えてもらった通りにしました。これからは決して悪戯はしませんので、どうか許してください 」 と、お詫びを言いながら縄を解き、丁寧に地蔵の体の泥を洗い流した。そのため、いつしか、里人たちは、この地蔵のことを、 “ 松笠地蔵 ” と呼ぶようになったという。
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現地レポート |
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これが、松笠地蔵。
平成 28 年 10 月 23 日 ( 日 ) 掲載
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