猿曳壇 |
色麻町/高根/高台道下 |
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昔、この里に、 小塚織兵衛 という弓の名人が住んでいたのだが、戦争の武器が、弓矢から鉄砲にかわってしまったため、退屈な日々を送っていた。ある日、織兵衛が、ぼんやりと里の風景を眺めていると、はるか遠くに何かを背負った里人が歩いているのが見えたので、よくよく、それを見てみたところ、その里人が背負っているものが、なにやらモゾモゾと動いているのがわかった。織兵衛は、「 ん〜、よく見えないが、最近、この里で見かけるようになった猿回しのようだな… 」と思ったのだが、このとき、自分の弓の実力を見せる場がなくなっていた織兵衛に、 「 人間を弓で殺すのは良くないが、背中の猿なら良いであろう 」という恐ろしい考えがうかんだ。そして、織兵衛は、背中の猿に向かって弓を放ったのだが、しばらく弓を射っていなかったため、その放った矢が、猿と同時に猿回しの体を貫いてしまった。このことにショックを受けた織兵衛が、自分の愚かさを後悔し、猿回しと猿が死んだ場所に二つに重ねた石を置いて、猿回しと猿の霊を祀ったので、いつしか、里人たちは、この石のことを、“ 猿曳壇 ”と呼ぶようになったという。
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現地レポート |
![]() ![]() 平成 21 年 9 月 14 日 ( 月 ) 掲載
令和 6 年 1 月 13 日 ( 土 ) 改訂
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