伝承之蔵

鬼石
亘理町/逢隈小山/西山

   昔、 朝比奈三郎 という者が、畑に畝をつくっていたとき、鎌の先に大きな石があたったことがあった。短気な三郎は激怒し、 「 邪魔な石め ! 」 と叫んで、その怪力で石を投げ飛ばしたのだが、 千貫山 の麓に石が落ちたとき、その石が、 「この野郎 ! 痛ぇじゃねぇえか ! 」 と言って、 顰めっ面 をした形の石に変化した。そのため、いつしか、里人たちは、この石のことを、 “ 鬼石 ” と呼ぶようになったという。

参考 『 岩沼市史 』
現地で採集した情報


現地レポート

この伝説の畑に関して、岩沼市史には、 「 その右に 七峰山七畝山 ) が眺められる。その山に、五、六条の畝立てした畑のような山ひだが見られ 『 三郎の畑 』 と言っている 」 とある。上の写真が 七峰山 ( 七畝山 ) なのだが、岩沼市史の記述のような “ 畑 ” はなかった。古老の話によると、 「 聞いたことないなぁ … 」 とのこと。


これが、千貫山。この伝説の鬼石は、現存しているらしい。古老の話によると、 「 今では、大きな木に隠れて見えなくなっているが、昔は見えたんだよ 」 とのこと。岩沼市史には、 「 五メートル近くもある大石である 」 とある。


古老の話によると、鬼石は、上の図のように、 「 鬼が大きな口をあけて、西の方角を向いている 」 とのこと。数十年前、里人たちが、ふと、鬼石を見てみると、いつもより鬼の口が大きくなっていたので、騒ぎになったことがあった。その後、以前から亀裂が入っていた、上の図の点線の部分が落ちただけだと判明したのだが、当時、子供であった古老は、 「 鬼が、口を大きくひらいた ! 」 と思い、驚き恐れたという。


平成 19 年 1 月 27 日 ( 土 ) 掲載
平成 24 年 10 月 12 日 ( 金 ) 改訂


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