伝承之蔵

ふくべ池
亘理町/旧舘

   昔、この里の 山王社 の近くに、 “ ふくべ池 ” という池があり、その池からは、綺麗な清水が湧いていて、里人たちから、 “ おみだらせ ” と呼ばれ、眼病に効くとされていた。目を患った里人は、この清水で目を洗った後、山王社から赤い猿の縫いぐるみを借りて、その縫いぐるみに目をこすって自分の眼病をうつし、その縫いぐるみを焼くか、川に流せば、たちまち御利益があって眼病が治癒したという。

参考 『 わたりの民話 』
現地で採集した情報


現地レポート

昔、 亘理神社 の境内にあった山王社は、里人たちからは、 “ お山王さん ” と呼ばれる御産の神様であった。現在、この山王社は、亘理神社に合祀されている。昭和初期までは、赤い猿の縫いぐるみが奉納されていたという。ちなみに、山王社から赤い猿の縫いぐるみを借りた場合、眼病が治癒した後、お礼として、縫いぐるみを二倍にして御返ししていた。


残念ながら、ふくべ池は現存していない。 “ ふくべ ” とは 瓢箪 のこと。池の形が瓢箪に似ていることから命名された。



痔の里人が、ふくべ池に 田螺 を放すと、たちまち田螺の尻が抜けて、殻だけが残ったという。



平成 25 年 3 月 10 日 ( 日 ) 掲載


地図