伝承之蔵

殿原小路の白井安右衛門 1
山元町/坂元/舘下

   昔、この里にある 殿原小路 に、 白井安右衛門 という武士が住んでいた。白井家に来客があったときには、必ず、仙台にある“ 玉澤屋 のまんじゅう ”を、その来客にごちそうしていたのだが、不思議なことに、安右衛門は、その来客が、お茶を飲みながら雑談している間に、片道四十五キロもある仙台まで行って玉澤屋のまんじゅうを買い、すぐに、屋敷に帰ってきて、その玉澤屋のまんじゅうを来客にごちそうした。そのまんじゅうが、いつも温かかったので、いつしか、里人たちは、「 安右衛門は、天狗の化身なのではないか? 」と噂するようになったという。

参考 『 山元町誌 第二巻 』
現地で採集した情報


現地レポート

これが、殿原小路。昔、この里には 蓑首城 という城があり、この通りには多くの家来たちが住んでいた。因みに、当時は、殿様が死んだ時、殿様の後を追って家来たちも切腹したので、この殿原小路は、 追腹小路 とも呼ばれている。


これは、この伝承に関連している場所の全体図。山元町誌 第二巻では、“ 玉屋のまんじゅう ”とあったが、“ 玉澤屋のまんじゅう ”の誤りであろう。玉澤屋は、伊達藩の御用菓子司を務めた老舗。藩政時代は、仙台の 国分町 に店を構えていた。白井家では、夜語りの来客( 宿泊する来客のこと )があると、玉澤屋のまんじゅうを買ってきて、ごちそうした。安右衛門が国分町に行って帰ってくるまで、一時間くらいだったという。


平成 18 年 1 月 11 日 ( 水 ) 掲載
令和 5 年 9 月 10 日 ( 日 ) 改訂


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