伝承之蔵

安養寺の阿弥陀如来
蔵王町/平沢/諏訪館
蔵王町/平沢/丈六

   昔、この里にあった 安養寺 に、ある阿弥陀如来が安置されていた。その阿弥陀如来には、「 あの阿弥陀如来の下には、たくさんの黄金が埋められている 」という噂があったのだが、ある日、この噂を信じた里人が、「 黄金は俺のものだ! 」と叫びながら、地面を掘ったところ、突然、目が見えなくなったという。

参考 『 蔵王町史 民俗生活編 』
現地で採集した情報


現地レポート

この伝承の安養寺は、すでに廃寺になっていて、現存していない。しかし、阿弥陀如来は 保昌寺 に移され、現存している。



これが、保昌寺の入口。



これが、保昌寺の山門。



これが、保昌寺の本堂。



これが、保昌寺の阿弥陀堂。この中に、阿弥陀如来が安置されている。



これが、阿弥陀如来。高さは、約三メートルもある。



これは、安養寺跡。上の写真の赤丸のあたりに建っていた。



古老の話によると、上の図のような配置だったという。図の中の杉は、たいへん立派なもので、安養寺への参道にあったらしいのだが、現在、残っているのは一本のみである。「 参道にあった杉は、たいへん立派なものだったので、生長の悪かった一本を残して、すべて伐採されました 」とのことであった。


これが、残った一本。当時は、生長が悪かったらしいが…、今では…。宮城県指定の天然記念物になっている。とにかく大きい。


停車しているトラックと比較しても、その大きさがわかる。



古老の話によると、この杉も伐採される予定だったという。ある業者が、この杉の所有権を主張し、反対する里人たちを無視して、杉を伐採しようとした。しかし、激しく反対する里人たちに困惑した業者は、暴力団を使って、強引に伐採しようとしたのだが、里人たちは、「 どうしても、この杉を伐採するなら、俺たちを斬り殺してからにしろ! 」と叫んで、みんなで強く手を握りあって、杉を取り囲んだ。下の写真は、そのときの争いでできた傷。


上の写真の赤丸は、斧で伐採しようとしたときの傷。青丸は、鋸で伐ろうとしたときの傷。里人たちの激しい反対のため、とうとう、業者は伐採を諦めたという。


平成 19 年 7 月 1 日 ( 日 ) 掲載
令和 5 年 7 月 30 日 ( 日 ) 改訂


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