伝承之蔵

寝返しの桜
蔵王町/円田/広畑

   文治 五年、 源頼朝 の奥州征伐のとき、鎌倉から荷駄をひいてきた大きな牛が、この里で力尽きて死んでしまった。武士たちは、この牛を埋葬しようとしたのだが、その牛が大きすぎて運ぶことができなかったため、道の近くに大きな穴を掘り、この穴の底に牛を転がして埋葬し、その上に桜の木を植えて、ねんごろに弔った。そのため、いつしか、里人たちは、この墓のことを、“ 寝返しの桜 ”と呼ぶようになったという。

参考 『 蔵王町史 民俗生活編 』
現地で採集した情報


現地レポート

これが、寝返しの桜。



これは、桜の根の部分。この下に牛を埋葬した。この桜の木を伐採した者は、必ず、祟られると噂されたため、里人たちは、大切に保護してきた。ところが、残念なことに、蔵王町観光物産協会のウェブサイトによると、2015年6月に根元から折れてしまい、現在は切り株だけが残されているとのことである。


これは、近くにあった説明文。この桜は、墓に眠る大きな牛のように大きく育ったため、牛桜とも呼ばれている。また、寝返しの桜は、「 途中で味方を裏切って、敵方につく 」という意味の“ 寝返る ”に通じて不吉なことから、後世、“ 根返りの桜 ”・“ 根返しの桜 ”に改められたという。


平成 19 年 7 月 6 日 ( 金 ) 掲載
令和 5 年 8 月 6nbsp;日 ( 日 ) 改訂


地図