昔、気仙沼水産高校に、
小野寺清雄
という生徒がいた。昭和三十七年十一月二十九日の夜、金保丸という八戸港の漁船が、
暗礁
の点在する
岩井崎
の沿岸に近づいた。それを発見した清雄は、大声と灯火で、懸命に危険を知らせようとした。
しかし、金保丸は、これに気づかず
座礁
してしまった。清雄は、
荒天
の危険をかえりみず、小船を漕ぎ出して救助に向かった。
そして、金保丸に
離礁
の方法を伝えた。しかし、次の瞬間、激しい波のため、清雄は海の中に転落。
スクリューに巻き込まれて、無惨な死をとげたという。
独自に、現地で採集した証言
|