どうやって味右衛門は金持ちになったのか?

   昔、白石 温麺 を創始した 鈴木味右衛門 は、 延命寺不澄ヶ池 の近くにある の木に、悪い噂があることを知った。そこで、味右衛門は、 「 よ〜し!その悪い噂が本当かどうか、おれが確かめてやる! 」と言って、 ある日の真夜中、この欅の木の下で、何かがおきるのを待っていた。

   すると、噂のとおり、奇妙なことがおきる。欅の木の上から、「 ぼくを、 おんぶ してぇ〜… 」という子供の泣き声がした。 そのとき、味右衛門は、「 そんなに、おんぶして欲しいなら、おれの背中にのれ! 」と叫んだ。 すると、皮の袋らしいものが、「 ドスン! 」という音をたてて、味右衛門の背中に落ちてきた。 度胸 のある味右衛門は、ためらわずに両手を背中にまわして、その袋をつかみ、 一目散 に家に帰った。

   次の日の朝、味右衛門が、その袋をあけてみると、たくさんの 大判小判 が入っていたという。その後、突然、味右衛門には幸運がおとずれるようになり、この里でも 有数 の金持ちになったという。

参考『 白石市史 3の( 2 ) 特別史 下の( 1 ) 』

現地で採集した情報



“ どうやって味右衛門は金持ちになったのか? ” 写真館

これが、延命寺の 山門

これが、延命寺の本堂。

これが、不澄ヶ池。現在、水はない。この伝承の欅も、現存していない。 古老 の話によると、昔、延命寺のあたりには、大きな欅の木が、たくさんあった。しかし、開発のために、ほとんどの欅が 伐採 されてしまったという。
平成18年11月2日(木)掲載