伝承之蔵

東宮浜の鬼
七ヶ浜町/東宮浜/鶴ケ湊

   昔、この里に、たいそう気性の激しい鬼が棲んでいたので、里人たちは、たいへん困っていた。そこで、里人たちは、みんなで協力して鬼を殺害することを決意し、ある日、全員で鬼を襲ったところ、突然のことに驚いた鬼が逃げだしたので、里人たちが鬼を追っていくと、鬼は、さらに海を越えて逃げだしたので、里人たちも、さらに鬼を追っていき、ついに、里人たちは、この鬼を捕まえて殺害した。そのため、いつしか、里人たちは、鬼を追った場所を“ 追ノ浜 ”、鬼が海を越えた場所を“ 鬼越 ”、鬼の首を斬った場所を“ 鬼頭 ”と呼ぶようになったという。

参考 『 七ヶ浜町誌 』
現地で採集した情報


現地レポート

これは、この伝承の全体図。七ヶ浜町誌には、鬼越に関して、「 海を渡って逃げたところを鬼越( おにげ )という 」とあるのだが、里人たちは、「 鬼越は、追ノ浜の側の地名でした 」と主張している。


上の写真は、東宮浜のあたり。



鬼越が、鬼が海を渡った場所だとすると、上の写真のあたりになる。



東宮浜と鬼越は、かなり近い距離にある。



七ヶ浜町誌には、鬼頭に関して、「 多賀城町字牛生の東端半島部( 現在塩釜市に編入 )で… 」とある。上の画像は、塩竈市のウェブサイトに掲載されている江戸時代ごろの地形。まだ、鬼頭崎の地名が残っている。


この伝承を文字だけで読み取ろうとすると気づかないが、地図にしてみると、綺麗な一直線になっているのが分かる。この伝承には、この里に住んでいる里人たちの生活圏や文化圏などの情報が含まれている可能性がある。


平成 18 年 4 月 27 日 ( 木 ) 掲載
令和 5 年 10 月 20 日 ( 金 ) 改訂


地図