伝承之蔵

莫大な財宝はどこに?
七ヶ宿町

   昔、この里に、ある貧乏な女性が住んでいた。その女性は貧乏ではあったが、たいそう信心深かったので、貧しい僧などを見かけたときには、できる限りの施しをしていた。ある日、貧しい僧が施しを求めてきたので、この女性は、少ないながらも米を施したのだが、突然、その僧が、「 この屋敷の敷地内に、宝が埋まっている! 」と叫んだため、その女性が、詳しく話を聞いてみると、その僧は、「 この屋敷の敷地内に、三つ股の 楮の木 が植えてある田があるはずだ。その田の近くで、『 朝日がさし、夕日が輝くところ 』に、宝が埋まっている 」と答えた。確かに、昔、楮の木が植えてあったのだが、十年前に伐採してしまったため、その女性は、「 目印がなくなったのでは、宝を探すのは無理か… 」と思い、そのまま、その宝のことは忘れてしまった。ところが、その数年後、別の僧が施しを求めてきたとき、その僧も同じことを叫んだので、楮の木が植えてあった正確な場所がわからないまま、里人たちが総出で宝を探したのだが、とうとう、宝を発見することはできなかったという。

参考 『 七ヶ宿町史 生活編 』
現地で採集した情報