伝承之蔵

関の大杉 1
七ヶ宿町/大杉

   昔、この里で飼われていた牛や馬が、知らぬ間に消えてしまうという事件が頻発したことがあったのだが、その原因が不明であったため、里人たちは、不安な生活を送っていた。ある日、ある大きな杉の木が、突然、燃えはじめ、またたく間に燃え尽きたので、驚き恐れた里人たちが、神様に、その理由を聞いてみたところ、「 あの大きな杉の木は、自分の身体に棲みついた毒蛇が、おまえたちが大切に飼っていた牛や馬を食べるなどの危害を加えるので、自分自身を焼き尽くし、毒蛇を焼き殺したのじゃ 」と答えた。そこで、里人たちが、その杉の木の焼け跡に行ってみると、そこには、その毒蛇の骨が散乱していた。この話を聞いた殿様が、家来を派遣して毒蛇の骨を回収。新たに杉の木を植えて、その根元に大杉大明神を祀り、神様に感謝の意を表わしたという。

参考 『 七ヶ宿町史 生活編 』
現地で採集した情報


現地レポート

この伝承の大きな杉の木は、 関泉寺 の境内にあり、里人たちからは、“ の大杉 ”と呼ばれている。上の写真は、関泉寺の山門。



これは、関泉寺の本堂。



これは、近くにあった説明文。



赤丸が、関の大杉。



これが、関の大杉。この杉は、 大正 六年八月十一日の落雷で、木の中程から折れてしまった。古老の話によると、「 関の大杉は、落雷のために何度も枯れてしまいました。はて? 今のは何代目だっけ? 」とのこと。


これは、関の大杉の説明文。



赤丸が、 大杉大明神



これが、大杉大明神。



余談ではあるが、関泉寺には、間引きの絵というものがある。上の写真がそれ。昔、里人たちは、飢饉の度に多くの間引きをしたのだが、その時、関泉寺の住職が、この絵を見せながら、間引きをやめるように里人たちを説得したという。このような絵が、本堂の屋根裏に十枚ほどあったのだが、雨漏りのため、雨が絵に染み込んでしまい、この一枚を残して全て廃棄されてしまった。 ( ここをクリックすれば当該資料を閲覧できます )。


これは、間引きされた赤ん坊。体が、バラバラになっている。



間引きされた赤ん坊が、鬼を連れてきて、母親に復讐しようとしている。



自分の子供を間引きした時の、気が狂ったような母親の表情が印象的である。この絵を里人たちに見せて、間引きをやめさせようとした住職の真剣さが伝わってくる。


平成 19 年 5 月 8 日 ( 火 ) 掲載
令和 5 年 10 月 17 日 ( 火 ) 改訂


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