延命地蔵

   舞根 の浦で、夜な夜な、海の中から光が放たれた。 里人 が、恐る恐る、海の中を探してみると、海底に、お地蔵様が横たわっていた。

   さっそく、近くの山に地蔵堂を建てて、お地蔵様を安置した。 しかし、お地蔵様は、夜な夜な、地蔵堂からぬけ出して、 旅人や女性に 戯れる ことがあった。

   里人は、地蔵堂の建立場所に不満があるのだと考え、 地福寺 に、お地蔵様を 遷座 した。すると、不思議なことに、何もおこらなくなったという。

参考『 唐桑町史 』

独自に、現地で採集した証言



“ 延命地蔵 ” 写真館

現在の舞根の浦。海の水は綺麗で、底まで見えます。

お地蔵様を、最初に安置した場所について、 唐桑町史には「今に舞根にその旧跡あり」とあった。 同じく町史に、「山上に地蔵堂を建立して」とあったので、 舞根の古老の方たちに聞いたところ、誰ひとりとして知らなかった。 この伝承を知っている方でも、地蔵堂のことに関しては 知らなかった。この件に関して、情報をもっている方、メールください。
亀谷山 地福寺の山門。

地福寺の本堂。

現在、延命地蔵は、地福寺に本尊として安置されている。 平成15年5月1日に唐桑町有形文化財に指定された。 お地蔵様といっても、人間の背丈ほどもある大きなものでした。 撮影は不許可でしたが、本堂まで案内していただき、見せていただきました。 ありがとうございました。
平成17年10月5日(水)掲載