涙の松 ・ 阿弥陀の松

   天明の飢饉 の時、大島から 出漁 した船が台風に遭遇し、帰ってこなかったことがあった。 残された家族は、毎日毎日、 亀山 から沖を眺め、船の帰りを待ったという。 そして亀山に、涙ながらに数本の松を植えた。

   その松が、いつしか、“ 涙の松 ”とも“ 阿弥陀の松 ”とも呼ばれるようになった。

参考『 大島誌 』



“ 涙の松 ・ 阿弥陀の松 ” 写真館

涙の松・阿弥陀の松が植えてある林の中に、愛宕神社がある。

昔は、航海の安全を祈る 里人 が、毎月、必ず愛宕神社に 参詣 したという。

涙の松・阿弥陀の松のオリジナルは、昭和初期まで数本が存在していた。 しかし、その後、枯れてしまったという。現存するものは一本もない。

亀山の山頂から見た景色。いつの日か、船が帰ることを信じて、 家族たちは、毎日毎日、ここから沖を眺めていた。

平成17年9月22日(木)掲載