小前見島の姫松

   昔、 小前見島 に、唐の船が 漂着 した。その船には、美しい姫が乗っていたのだが、長い航海の疲れのため、 大島 沖で死んでしまったという。

   里人 たちは、小前見島に姫の遺体を埋め、その供養のために、近くに松の木を植えたという。

参考『 大島誌 』

現地で採集した情報



“ 小前見島の姫松 ” 写真館

これが、小前見島。昭和四十年頃、姫松は枯れてしまった。その時、姫松の太さは、大人の手で、ふたかかえもあったという。
大島では、松の 落葉 を集めて燃やすという方法で、“ ごんどさらえ ”をしていた。“ ごんどさらえ ”とは、図のように、落葉などを集めて囲いに入れ、田畑の 堆肥 を作るというもの。“ ごんどさらえ ”という名称は、宮城県沿岸北部と岩手県沿岸南部あたりのものらしい。 落葉を集めて燃やすという方法もあれば、集めた落葉を、そのまま囲いに入れるという方法もあった。
昔、姫松の落葉を拾って“ ごんどさらえ ”をしたところ、 祟り があった。そのため、“ ごんどさらえ ”をしないばかりか、小前見島に上陸することもしなくなったという。
平成18年1月22日(日)掲載