源義経と皆鶴姫 1

   昔、ある旅人が、この里にある、“ 観音寺 ”という寺に宿泊したことがあった。そのとき、その旅人は、寺に伝わる古い を見つけ、「 ご 住職 、この笈は何ですか? 」と聞いたところ、その住職は次のように答えたという。

   「 昔、 鬼一法眼 という武士の娘である“ 皆鶴姫 ”が、 源義経 に恋心を寄せたことがありました。これを知った鬼一法眼は 激怒 し、『 おまえのような娘は、俺の娘ではない! 』と言って、 空舟 に姫を入れて海に流したそうです。その舟が、この里に流れつき、 里人 たちが発見したときには、残念なことに、すでに皆鶴姫は死んでいました。この話を聞いた義経は、すぐに、この里に 駆けつけて 、涙ながらに 遺体葬り 、寺を建てて姫を 祀り ました。それが、この寺です。この笈は、義経が自分で使っていたものを 奉納 したのだと伝えられています 」と。

参考『 気仙沼市史 Z 民俗・宗教編 』

現地で採集した情報



“ 源義経と皆鶴姫 1 ” 写真館

これが、観音寺の 本堂

観音寺では、皆鶴姫が乗せられたという、空舟の一部を所蔵している。上の写真がそれ。
これが、源義経が使ったと伝えられる笈。

平成20年4月5日(土)掲載