笠忘れ山 |
昔、ある姉妹の神様がいた。姉は 湯殿山 の神に、妹は 羽田 の神になることが決まっていたのだが、妹は、「 あぁ〜、湯殿山の神になりたかったのになぁ… 」と思い、たいへん残念がっていた。 ある日、この姉妹の神様が、ある山で 休憩 していたとき、あまりにも天気が良かったので、姉の方が、ついつい、スヤスヤと 居眠り をしてしまった。 すると、妹の心に、「 姉が居眠りをしている間に湯殿山に行けば、私が、湯殿山の神になれる… 」という、悪い考えが浮かんだ。 そして、妹は、急いで湯殿山に行って、そのまま、湯殿山の神になってしまった。 このとき、妹は、たいそう 慌てて いたので、その山に 笠 を忘れてしまった。そのため、いつしか、 里人 たちは、その山のことを、“ 笠忘れ山 ”と呼ぶようになったという。 参考『 本吉町誌U 』
現地で採集した情報
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