小野小町の墓

  晩年、 小野小町宮仕え を辞して、生まれ故郷の 出羽 に帰ろうとしたが、その途中、渋井の里で病気になってしまった。 平癒 祈願のため、氷室薬師に 百日詣で をしたが、満願の前日、ついに道端に倒れて死んでしまった。

  誰も気がつかないまま何年かが過ぎ、偶然、 在原業平 が渋井の里にさしかかった。 すると、どこからともなく女性の歌声が聞こえてくる。周りを見ても誰もいない。 「秋風の 吹くにつけても アナメアナメ(ああ目がいたい)」と歌っている。 在原業平が、歌声のする方に行ってみると、 髑髏 が半分だけ土に埋まって転がっている。 その髑髏の目からすすきが生えていて、風で揺れるたびに髑髏の目をこすっている。 これでは目が痛いだろうと思い、すすきを取り除いて手を合わせて去った。

  その夜、近くの民家に泊まった在原業平は、小野小町の夢を見る。 「私は小野小町です。今日は、優しく目からすすきを抜いてくださって、ありがとうございました」と。 在原業平は、このことを 里人 たちに伝えた。

  この話を聞いた里人たちは、小野小町の霊を慰めるために塚をつくって、松の木を植え、大切に守ったという。

参考『 古川市史 別巻 平成風土記 』
参考『 古川市史 第3巻 自然・民俗 』



“ 小野小町の墓 ” 写真館

小野小町の墓については、 夜烏 と渋井の2説があるが、こちらは夜烏の方。

氷室薬師村上寺。 入ってすぐ左側に、小野小町が化粧をしたと伝えられている池がある。

小野小町が化粧をしたと伝えられている池…。

平成17年6月28日(火)掲載