お節と弥右衛門の悲恋物語 1

   昔、ある仙台藩主に、“ お節 ”という姫がいた。その姫は、今野弥右衛門という 小姓 を愛してしまい、やがて 相思相愛 の仲となった。

   仙台藩の 御法度 にふれた二人は、とうとう 駆け落ち して、この里に 隠れ 住んだのだが、仙台藩の 追手 に捕らえられて、 端午 の日に 打ち首 となった。そして、 無残 にも、姫の首は 潟沼 に、弥右衛門の首は 雄沼 に投げ捨てられた。

   その後、毎年、端午の日の夕方になると、潟沼の表面が 千畳敷き青畳 となって 紅灯 がともり、多くの女性たちが 管弦奏でる ようになった。その奏でられた音楽の中には、姫のすすり泣く声も含まれていて、不思議なことに、その音楽が流れると同時に、雄沼には 紫雲棚引き 始めた。

   里人 たちは、「 これは、姫と弥右衛門の が、お互いの愛を求めているのでは… 」と した。ある里人が、「 面白そう だな。ちょっと、見てみるか 」と、この様子を見たところ、数日後に、無残な死をとげたという。

参考『 鳴子町史 上巻 』

現地で採集した情報



“ お節と弥右衛門の悲恋物語 1 ” 写真館

これが、潟沼。この沼は、世界でも珍しい強い 酸性 の沼である。ちなみに、強い酸性の水なので、魚は一匹も 棲んで いない。
この沼を一周できる散歩コースがあるので歩いてみた。この沼の周辺は、かなり 硫黄臭い がする。上の写真の赤丸は、地面から硫黄が 噴き 出している場所。
このような穴から、硫黄が噴き出している。

このように、硫黄が噴き出している。

良い感じの散歩コース。この里の 古老 が、この沼には、龍神が住んでいるという龍神伝説があると教えてくれた。“ 龍神の ”があるというので探してみることに。ルン♪ルン♪。とても天気の良い日で、散歩をするには最高でした♪
………。もしかして…、これのことかな…。 鳥居壊れて る…。祠への道もない…。まったく管理されていない…。
うおぉぉぉぉぉぉぉお〜! 道がないのが何だ! 蜘蛛 の巣が何だ!
が何だ! 蛇に 噛まれる のが恐くて、伝承ハンターができるかボケ〜!
「 ブ〜ン 」だと! この 野郎刺せる もんなら刺してみやがれ!
ちょっぴり不安…。

やっと見つけた…。これが、龍神の祠。

散歩コースに戻って歩いていると、沼の水面が 揺れて いることに気づいた。よく見てみると、沼の底からガスが噴き出している。
古老の話によると、この沼の水は強い酸性なので、 水虫皮膚病 に効果があり、 素足浸しに 来る 里人 も多いらしい。また、観光客が、五〜六個の ポリタンク に水を 汲んで いたので、この古老が、「 この沼の水を汲んで、どうするんですか? 」と聞いたところ、「 私は、畑でトマトを 栽培 しているのですが、この沼の水をトマトにかけると、たいへん甘いトマトになるんです 」と答えたという。
今回は、下調べが不十分だったため、雄沼には行けなかったが、現在は、詳細な情報を入手している。熊・蜂・蛇の危険がない三月下旬〜四月上旬に行く予定。
この伝承を恐れてというわけではないのだが、 端午 の前後、里人たちは、潟沼の周辺には近づかなかった。この里は、毎年、端午の前後に 梅雨 に入るため、沼の周辺が深い 覆われる 。そのため、上の図のように、沼の周辺や沼の底から噴き出しているガスが、このあたりに 充満 することになる。このような状況で人間が歩くと、ガス 中毒 で死ぬこともあるらしい。そのようなことにならないように、この伝承を語り、沼に近づくことを 戒め たという。
平成19年8月24日(金)掲載