毒水沢 |
|
昔、“ 千願坊 ”という 修験者 が、 薬師如来 像を 背負って 、この里にさしかかったとき、このあたりでは有名な 盗賊 たちに襲われた。盗賊は、千願坊に、「 おまえは、全国を 托鉢 して歩いているので、たくさんの黄金を持っているはずだ。その黄金をすべて出せ! 」と 恐喝 した。 千願坊は、盗賊に、「 確かに、私は黄金を持っている。しかし、この黄金を 略奪 しようとするならば、私は、 神通力 を使って 防御 する。盗賊どもよ!私の神通力を見てみよ! 」と言って、持っていた 笠 を空に投げると、その笠は、大きな 鷹 に 変身 して飛び去っていった。 ところが、盗賊たちは、まったく 動揺 しなかった。そこで、千願坊は、「 なら、これはどうだ! 」と言って、 錫杖 を地面に 這わ せたところ、今度は、錫杖が 大蛇 に変身して、大きな木を倒しながら姿を消した。 しかし、盗賊たちは、「 だから何なんだよ! 」と叫んで怒り、千願坊を殺害した。死ぬ 間際 、千願坊は、「 盗賊どもよ!よく聞け!私は、神仏の 庇護 を受けて、現世の人々に幸福を与えてきたが、おまえたちのような 無法者 に会ったのは初めてだ!私は、必ず、おまえたち全員を殺害して、七代まで 祟って やる! 」と叫んで死んだ。 すると不思議なことに、みるみる近くの沢の水が 濁って 魚が死にはじめ、その 死骸 が水面に浮かんだ。その後、この沢の水を生活 用水 として使用していた盗賊たちは、ひとり残らず死んでしまった。そのため、 里人 たちは、この沢を、“ 毒水沢 ”と呼ぶようになったという。 参考『 鳴子町史 上巻 』
現地で採集した情報
|
“ 毒水沢 ” 写真館 |