鬼子母神の由来

   昔、ある 夜叉 の娘であった 鬼子母神 は、 般闍迦 という 鬼神 と結婚。五百人も子供が 授かり 、大家族の苦しさはあったが、幸せな生活をしていた。
   ところが、この鬼子母神は、人間の子供を 誘拐 して食べるという 凶暴 な神だったので、人間たちは鬼子母神を恐れ、同時に、激しい 恨み を持っていた。とうとう 我慢 が限界に達し、人間たちは、 釈迦如来 に、「 このままでは、私たちの子供が、食べ 尽くされて しまいます。どうか、助けてください 」と 祈願 した。

   人間を 哀れ に思った釈迦如来は、ある日、鬼子母神が最も大切に育てていた末娘を、 神通力隠した 。鬼子母神は 半狂乱 になって、「 どこぉ〜!私の子供はどこにいるのぉ〜! 」と叫びながら、世界中を 捜し 回った。しかし、どうしても発見することができず、泣きながら釈迦如来に助けを求めた。

   このとき、釈迦如来は、鬼子母神に、「 五百人の子供のうちの一人を失っただけで、おまえは半狂乱になった。 人間の夫婦には、たった数人の子供しかいない。数人の子供のうちの一人を食べられた人間の心の痛みが、おまえには、わからないのか? 」と問いかけた。 「 … 」。鬼子母神は、何も答えることができず、ただ黙っていた。 釈迦如来は、「 子供を失った痛み、命の大切さは、鬼神も人間も同じなんだぞ 」と、優しく 説得 し続けた。すると、鬼子母神は、次のように 呟いた 。「 ごめんなさい… 」。

   その後、それまでの 過ち悟った 鬼子母神は、 すぐに 改心 して釈迦如来に 帰依 。人間の 安産 や子育てに 尽力 し、やがて、子供たちを守る優しい神として、人間たちの尊敬をあつめたという。



“ 鬼子母神の由来 ” 写真館

釈迦如来は、改心した鬼子母神に対し、「 おまえは、命の大切さを悟った。もう、鬼の は必要ないであろう 」と言って、鬼子母神の角を切り取った。そのため、鬼子母神の“ 鬼 ”は、上の図の下の方の字を使用するようになったという。
平成19年9月7日(金)掲載