兄の嫁を愛してしまった武士の悲話

   昔、ある武士が、自分の兄の を愛してしまったことがあった。その武士は、さんざん悩んだ末、その想いを兄嫁に 告白 。すると兄嫁は、しばらく考えた後、「 そんなに私のことを想ってくれるなら、今夜、夫の部屋を襲って、彼を殺してください。夫が生きているうちは、あなたと結婚できません 」と答えた。

   その夜、その武士は、兄嫁に言われたとおりに兄を殺害した後、その首を 斬り 落とした。ところが、その首を月の光に照らしてみると、それは兄の首ではなく、兄嫁の首であった。

   その武士は、兄と自分の間に 挟まれ苦悩 した兄嫁の心の悲しみを知り、そのまま 出家 して“ 文覚上人 ”と名のり、死ぬまで兄嫁の 菩提を弔った という。

参考『 鹿島台町史 』

現地で採集した情報



“ 兄の嫁を愛してしまった武士の悲話 ” 写真館

文覚上人は、この里にある山の頂上に、 経巻 を納めた箱を 埋めた 。そのため、 里人 たちは、その山を、“ 経檀山 ”と呼ぶようになったという。上の写真が、経檀山。
未確認の情報なのだが、経檀山の頂上には、墓石のようなものが転がっているらしい。また、昔、頂上に埋められている経巻を掘りおこそうとした者がいたのだが、掘ろうとするたびに激しい雨が降ってきて、ついに 断念 したという。
平成20年3月23日(日)掲載