馬丁と納豆

   昔、 源義経 が、この里に来たことがあった。そのとき、 馬丁 が、義経の愛馬に、 煮た 大豆 を食べさせようとしたところ、たいそう 柔らかく 煮たせいか、馬は、あまり食べずに、ほとんど残してしまった。このとき、馬丁は、「 食べ物を 粗末 にするのは 罰当たり だ。 勿体無い 。勿体無い 」と言って、その煮豆を 包んで馬屋片隅 に置いておいた。

   数日後、その馬屋から、何やら良い香りがしてくるので、馬丁は、煮豆を包んだ藁をあけてみた。その煮豆には、たいそう糸がひいていたのだが、 腐っている とも思えなかったので、恐る恐る食べてみると、たいへん 美味しかった 。これこそが、現在、私たちが食べている、“ 納豆 ”の作り始めであった。その後、その馬丁が、他の 里人 たちにも、この 珍味 の作り方を教えたため、全国に広まっていったという。

参考『 三本木町誌 下巻 』

現地で採集した情報

平成23年7月7日(木)掲載