天性寺の子安観音

   昔、この里にある“ 天性寺 ”という寺に、 子安観音 様が 祀られて いた。そのため、この里に住んでいる親たちは、 頻繁 に天性寺に 参詣 し、自分たちの子供の健康を願った。

   ところが、ある日、この里の子供たちの多くが原因不明の病気にかかり、死にそうになった。困った 里人 たちが、 占い師 に見てもらったところ、「 子安観音様の 御神体 が、何者かに盗まれている 」という結果がでた。すぐに、里人たちが、天性寺の 観音堂 を調べてみたところ、そのとおりであった。

   ちょうどそのころ、 大衡村 にあった、ある屋敷の子供たちも、突然、原因不明の病気にかかっていた。 どんな薬を飲ませても、まったく効果がないので、屋敷の者たちが、占い師に見てもらったところ、「 あなたの屋敷の裏に、何者かが子安観音様を置いていった。 その子安観音様は、自分の御堂に帰りたいと言っている 」という結果がでた。 すぐに、屋敷の者たちが、屋敷の裏に行ってみると、確かに子安観音様が置いてあった。

   屋敷の者が、その子安観音様が入っていた箱を見てみると、“ 天性寺 ”と書いてあったので、すぐに、天性寺に行って、子安観音様を御堂に御返しした。すると不思議なことに、お互いの里の子供たちの病気が 治癒 したという。

参考『 三本木町誌 下巻 』

現地で採集した情報



“ 天性寺の子安観音 ” 写真館

これが、天性寺の 山門

これが、天性寺の 本堂

三本木町誌 下巻には、「 その戻された年代は 昭和 十年頃のことで、御観音様の姿の消えた年代は何時の頃とも誰も知つている人がなかつた 」とある。この伝承に関して、天性寺の副 住職 に聞いたところ、「 この寺にある子安観音様は、最近、 檀家 さんから 寄進 されたものなので、この話のものとは違うでしょう。ただ、先代の住職が、この寺の向かいにある子安観音様の御堂の 修復 にかかわったことがありました。もしかしたら、あちらの子安観音様のことかもしれませんね 」とのことであった。
赤丸が、この伝承の子安観音の御堂。4号線をはさんで向かいにある。三本木町誌 下巻にも、「 昔から三本木町字坂本の国道筋の直ぐ左側に観音堂囲と呼んでいる所に『 子安観音 』をお祀り申上げていた 」とあるので、副住職の証言とも一致する。ただ、この子安観音の御堂が、天性寺の管理ではないのは 意外 であった。
これが、子安観音の御堂。

平成23年8月27日(土)掲載