伝承

けさらぱさら
大崎市/三本木坂本/山際

   昔、この里に住んでいた鎌田家に、 “ けさらぱさら ” というものが 所蔵 されていた。このけさらぱさらは、毎年、春になると、その気温のためなのか、白色・黄色・桃色のいずれかに変色。 里人 たちは、その色によって、その年の 作柄 を占った。けさらぱさらの色が、白色になった年は、気温も 順調豊作 。黄色になった年は、まあまあ普通。桃色になった年は、必ず 凶作 になった。このため、鎌田家では、けさらぱさらを一種の生命体だと考えて、縦7.6cm、横9.1cm、高さ5.5cmの の小箱に入れ、食料として 白粉 を与えて、大切に所蔵したという。

参考 『 三本木町誌 下巻 』
現地で採集した情報


“ けさらぱさら ” 写真館

三本木町誌 下巻には、 「 三本木町字坂本の館山に居住していた鎌田文一氏の先祖に当るおのえさんという方が当家の家宝として、世にも珍らしい 『 けさら、ぱさら 』 と名ずけて 」 とある。残念ながら、この伝承のけさらぱさらは、現存していない。鎌田おのえさんも鎌田文一さんも、すでに 亡くなって いた。


けさらぱさらが発生した場所や年代などは不明である。ちなみに、けさらぱさらとの関係は不明であるが、気仙沼には、“けさらんぱさらん”の伝承がある。上の写真は、気仙沼市史 Z 民俗・宗教編に 掲載 されているけさらんぱさらん


この伝承のけさらぱさらは、作柄を占うものだったので、 “ 作だめしの神 ” とも呼ばれていた。ちなみに、このけさらぱさらには、 があり、雄は 阿寒湖毬藻 に似ていて、 毛玉 状になっている。鎌田家で所蔵していたけさらぱさらは、カビが生えたような状態で、短くて 柔らかい 毛並み であったので、雄だったのではないかとのことである。


平成23年12月18日(日)掲載