志引石

   昔、この里に大きな石があって、通行の 邪魔 になっていた。 里人 たちが、数十人で、この石を動かそうとしたが、どうしても動かない。

   困り果てていると、どこからともなく、ひとりの少女が現われて、 「 私が、その石を動かしてあげましょう 」と言った。 里人たちは、「 数十人でも動かなかったんだぞ。おまえにできるもんか 」と言って、 嘲り 笑った。

   その少女は、どんなに里人たちに笑われても平気であった。そして、石に手をあてると、そっと目を閉じた。 すると不思議なことに、石は空中に浮かびあがり、二つに割れて地面に落ちた。

   あまりのことに、里人たちは、 呆然 としていた。ふと気づくと、その少女の姿は消えていたという。

参考『 多賀城市史 第3巻 民俗・文学 』

現地で採集した情報



“ 志引石 ” 写真館

これが、 志引石 。この伝承では、二つに割れたとなっている。 古老 の話では、もう一つは、地面の中に埋まっているのだという。
志引石は、もともとは、“ 千引石 ”と呼ばれていた。これは、「 千人で、やっと動かすことができる石 」という意味である。 “ ちびきいし ”が、いつしか、“ しびきいし ”となった。
多賀城市史には、「 この娘を 祀った のがこの地にある志引観音で… 」とある。おそらく、赤丸の神社であろう。現在、調査中です。 ん〜…、調査中というか、取材するの忘れた…。
平成18年5月15日(月)掲載